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阪神淡路大震災から30年、大工として、建築士として今できること

2025年1月17日

耐震等級3

こんにちは、一級建築士の平野克彦です。


30年前、1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災。

当時、私はまだ建築士ではなく、現場で家づくりを担う大工として働いていました。震災での建物倒壊や被害の映像を目の当たりにし、心が痛むと同時に、自分のつくる家が命を守る場所にならなければいけないという強い思いが生まれました。

その経験が、私が建築士としての道を選び、今も家づくりに真摯に向き合う原点のひとつとなっています。

 

 


震災から学んだ教訓

 

あの震災では、耐震性が不十分な住宅が多く、倒壊した家屋によって多くの命が奪われました。

家族が安心して暮らせるはずの住まいが、命を脅かす存在になってしまう。

それは家づくりに携わる者として、何よりも悔しく、悲しい現実でした。

あの時抱いた「もっと安全な家をつくらなければ」という思いは、今も変わらず私の中にあります。

 

 


耐震等級3が守る未来

 

今、私は建築士として、震災に強い家づくりに全力で取り組んでいます。

 

その中心にあるのが耐震等級3の設計。

 

これは、警察署や消防署と同じレベルの耐震性能を備えた住宅基準です。この基準を満たすために、私たちは「許容応力度計算」を用いて、建物の柱や梁、基礎の強度を細部まで正確に計算しています。

耐震等級3の住宅は、震度7クラスの地震が発生しても倒壊しにくい構造です。

これにより、大切な家族が暮らす家が、命を守るシェルターとなることを目指しています。

 

 


過去から未来へ、命を守る住まいづくりを

 

震災をきっかけに、多くの建築基準や工法が見直されました。

しかし、それだけでは十分ではありません。家づくりに携わる私たち一人ひとりが、過去の教訓を胸に、より良い住まいを提供するための努力を続けることが必要です。

 

大工だった当時の私は、家をつくる技術を磨くことでしか貢献できませんでした。

ですが、今の私は建築士として、家づくりの計画や設計の段階から、より安全な住まいを実現するお手伝いができます。その責任を果たすことこそが、震災で失われた命への敬意を示し、未来の安心を築く道だと信じています。

 


もし、住まいの耐震性や災害対策について気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。30年前の教訓を胸に、私たちは命を守る家づくりを続けていきます。

 

平野克彦

一級建築士

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