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進化する木造工法:改良された在来木造工法とは?

2025年1月7日

あったかい家をつくるには?

こんにちは!🌿
一級建築士の平野克彦です。

今日は、日本の家づくりで長く使われてきた「在来木造工法」について、そしてその進化形である「改良工法」についてお話しします🏠。

 

在来木造工法の課題
在来木造工法は、戦後日本の家づくりで主流となった工法です。しかし、当時の技術では「壁の中が空洞」になり、この空洞が床下から天井裏までつながっていました。


この構造のせいで、せっかく設置した断熱材の効果が十分に発揮されないばかりか、次のような問題が起きていました:

 

  • ・暖かい室内の空気が壁内を通り抜け、外気に流れ出る
  • ・床下や外気の冷たい空気が壁内に侵入し、部屋の温度を下げる
  • ・隙間風が多く、家全体が寒く感じる

これでは、断熱材が無意味になり、住む人は寒さに耐えながら暮らさなければなりませんでした。


 

改良工法(新在来木造構法)の登場
こうした課題を解決するために生まれたのが、現在の改良された在来木造工法です。以下の改良ポイントによって、家の性能が大きく向上しました:

  1. 気流止めの設置
    壁の上下に「気流止め」を設置することで、壁内を空気が流れるのを遮断。これにより、室内の暖かい空気が外に逃げたり、外の冷たい空気が壁内に侵入するのを防ぎます。

  2. 通気層工法の採用
    壁内に通気層を設け、適切な換気を行うことで、結露の発生を防止します。これにより、木材が湿気で腐るリスクも軽減されました。

  3. 断熱材の効果が最大化
    断熱材が計算通りに機能する環境が整い、部屋の中は暖かく快適に。隙間風もなくなり、家全体の快適性が大幅に向上しました。


現代の家づくりに活かされる技術
この改良工法によって、日本の木造住宅は劇的に進化しました。特に寒冷地では、この高断熱・高気密な工法が欠かせません。断熱材がしっかり機能するだけでなく、家全体のエネルギー効率が良くなり、光熱費の削減にもつながります✨。

 

家づくりにおいては「伝統」と「進化」のバランスがとても大切です。在来木造工法の良さを活かしつつ、現代の技術で改良されたこの工法は、快適で長持ちする住まいを作るうえで大きな力を発揮しています。


これからも家づくりに役立つ情報をたくさんお届けしますので、ぜひお楽しみに😊。

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